【かけがえのない友人の旅立ち④~パートナーシップ~】

3月7日のお通夜に続き、8日早朝に
告別式がとりおこなわれました。

Mさんと家族や参列者一人一人のお別れが終わり、
柩の蓋が閉じられる最後の時、
穏やかな表情で眠っていて、話しかけたら今にも
目を開けそうなMさんの傍らに、ご主人のI君が歩み寄り、
言葉をかけました。

「ありがとう」

仲の良い夫婦として歩んできて、
6年間のMさんの闘病生活を支え、
自分で自宅で看取ることを決意し、彼女に寄り添ってきた
I君のこの一言とこの時の光景を、
私はきっと一生忘れることはないと思います。

《キリスト教の結婚式の誓の言葉》
あなたはここにいる○○を
病める時も、健やかなる時も、
富める時も、貧しき時も、
妻として愛し、敬い、慈しむことを誓いますか?

私はクリスチャンではありませんし、
この誓を立てたこともありませんが、
「この言葉の持つ意味は本当に深い」と年を重ねるにつれ、
しみじみと思うようになりました。

このような覚悟と心持ちでパートナーと向き合っていきたい
と思う重みのある言葉です。

27年前、I君とMさんも、都内の教会で誓い合い
結婚しました。

I君とMさん夫婦は、私が学生時代から両方とも知っていて、
現在まで私がお付き合いのある唯一の夫婦。

I君は同じ大学の一年後輩で、Mさんは、
大学時代の友人Kさんと同郷で一時期はルームメイトでしたから、
二人がお付き合いを始めた頃からの知己です。

結婚式や披露パーティーでは、それぞれの友人たちも集って、
若くて素敵なカップルをお祝いしました。

お二人を見ていると、当時流れていたCMの
チャーミーグリーンをいつも思い出し、
仲良しぶりが微笑ましくて
「貴方たちは、本当にチャーミーグリーンカップルね!」
と私はよくMさんに言ったものです。

若い時には特にそうでしょうが、これから先のお互いの人生に
どのようなことがあるか、全く予想が出来ません。

山あり、谷有り、嵐有り・・で、楽しい時は鷹揚になれても、
『余裕が無くなり我慢もなくなる』のは、夫婦に限らず
人間関係全般に言えることです。

当然、お二人の結婚生活も、私が知らない様々なことが
あったのだと思います。

27年間という時間が、長いのか短いのか、
正直私にはわかりません。
日本人の平均寿命と、二人が結婚した年や現在の
年齢を考えると、あまりに短いのかも知れません。

でも、人一倍凝縮された濃い時間だったのではないかと
思います。

最後の最後までパートナーの意志を尊重し、
自宅をリフォームして訪問看護に切り替え、
生活の大半の時間を彼女に寄り添い続けることは、
誰にでも出来ることではありませんから・・・。

Mさん、I君と結婚し、ともに歩んできた歳月は
本当に、本当に幸せでしたね!

最愛の妻を「ありがとう」の言葉で見送ったI君の姿に、
私は、27年前の結婚式の日に、教会でお二人が誓った
『誓いの言葉』と二人の姿を思い出していました。

今日はMさんの初七日。

天国に向けて旅立ったMさんが、ベターハーフのI君に、
あの愛らしい笑顔で
「どうもありがとう」
そう言っている声が聴こえてくるようです。

 

 

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